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Professor's Comments

*HIDEKI*

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今年で4年目となった2019年度​の「持続可能な社会構築」をテーマにした、エストニアへのスタディーツアーは、関係者と参加してくれた学生たちのおかげで、無事に成り立った。大きな事故も病気もなく、充実した毎日となったことに、改めて感謝したい。ツアーが成功した様子は、学生たちのコメントを是非ご一読いただきたい。(私自身は「SDGsを政府肝いりで展開する日本とは逆のエストニア」といった感想が良いなぁと。

学内での参加呼びかけに応じた学生たちは、数こそ少なかったかもしれないが、学部学科をこえて集まり、積極的に準備を行い、現地入りしてからも在エストニアの日本人へアポイントメントをとるなど、自らの学習機会を作り出していった。また、ユネスコスクール・ネットワークでは国際的に有名な「バルト海」プロジェクト(BSP)30周年キャンプでは、他の9カ国から参加した若者たちと交流を深めることができた。限られた時間と環境の中で、時には嫌な気持ちになったであろうにもかかわらず、自分たちで作り上げた参加学生たちを誇りに思う。

ツアーでは毎回、高次の参加を追いかけている。すなわち、「そこに居るだけの参加」でも「与えられた課題をこなす参加」でもなく、「自らが当事者となって関わる・作り出す参加」である。有名な場所を訪問して他人からお話を伺って自分の勉強とするだけではなく、自分と他人のために何ができるかを考え、行動にうつすことは、分かっていてもなかなかできない。本スタディーツアーの経験から、これからも出会うであろう様々な人や場所へ「お客様」ではなく「関係者」としてもつながってもらいたいと思う。

上智大学は「叡智が世界をつなぐ」を掲げ、持続可能な未来へ貢献できる人を育てることを目指している。持続可能な未来には、自分の持続可能性と他人の持続可能性を理性・感性・知性を動員して調整していくという前提がある。最近は日本でもエストニアという国が話題になることは増えたが、その実利的・道具的な側面だけに注目するのではなく、穏やかな自然の中で自分を見つめ直す貴重な機会を提供してくれる自然体の人たちとの接点を本ツアーではこれからも大切にしていきたい。(なお、上智大学では2020年9月から「持続可能な未来プログラム」を始める

 

最後に、このオンライン報告書は、すべて学生たちの努力で作られたものであることを記しておく。過去の報告書(2016年度2017年度2018年度に続けて創意工夫をこらしたものであることに気づいていただければ幸いである。

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